国家試験対策として揃えたいのが参考書。
試験に出題される共通問題・専門問題・実地問題に備えるために欠かせないアイテムです。
様々な出版社から販売されているため、どれを選べはいいか悩んでしまいますね。
そこで今回は理学療法・作業療法の国家試験問題集の選び方とともに、おすすめの参考書を紹介します。
人によって「勉強の得意不得意」や「イラストがないと頭に入らない」などあると思います。
各問題集の長所と短所を知って、自分にあった参考書を選びましょう。
QB | 必修ポイント | 国試の達人 | 10年分 | ヒントレ | 解答と解説 | てるもん でたもん | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
冊数 | 2冊 | 4冊 | 3冊 | 2冊 | 2冊 (共通問題のみ) | 1冊 | 2冊 (共通問題のみ) |
価格 (合計) | 1万円 | 2万円 | 1万円 | 3千円 | 1万円 | 6千円 | 1万円 |
発刊 | 毎年 | 毎年 | 毎年 | 毎年 | 不定期 | 毎年 | 不定期 |
問題数 | 少ない | 多い | 多い | 多い | 普通 | 少ない | 普通 |
解説の 有無 | 解説あり | 解説あり | 解説なし | 解説なし | 解説なし | 解説あり | 解説あり |
色 | カラー | カラー | 白黒 | 白黒 | カラー | 白黒 | カラー |
おすすめ |
今回紹介する参考書の特徴をまとめてみました。詳しい内容については下記で紹介します。
国家試験対策本のおすすめ7選
クエスチョン・バンク(QB)
「病気がみえるシリーズ」を出版しているメディックメディアが出版している参考書。
『クエスチョン・バンクシリーズ』は
- 共通問題(基礎医学・臨床医学)
- PT/OT 専門問題
の全2冊からなり、すべて購入すると約1万円とお財布にも優しく、持ち運びしやすい形になっています。
最新の国家試験から過去20年分の同一問題・類似問題を分析してまとめているため、効率よく勉強することが出来ます。
毎年発刊されており、発売日はPT/OTの共通問題は7月頃で、各専門問題は9・10月頃になります。
発売時期が異なるため間違えて昨年の参考書を買わないように購入前に確認をしましょう。
大半の方は長期実習後に国家試験勉強を「基礎医学→臨床医学→専門問題」の順に勉強するため上記の発売時期での購入でも問題ないと思いますが、スタートダッシュ切りたい方には適さないかもしれません。
本書の最大の特徴は、なんと言ってもイラストや図表を使った分かりやすい解説です。
「病気がみえるシリーズ」を読んだことがある方は分かると思いますが、イラストが多く視覚的にも記憶に残りやすいです。
また、一問に対しての解説量が最も多く、すべての選択肢に解説がついているため勉強が苦手な人にとって最適な参考書だと思います。
問題の後には「ゴニオmemo」というゴロ合わせや豆知識などが書かれた場所があり、これがいいコーヒーブレイクになります。
図やイラストなど視覚的に理解する方が覚えやすい人や、詳しい解説や豆知識、語呂合わせなどがありわかりやすい参考書が欲しい方におすすめです。
中身の構成はこんな感じ・・・
PT・OT 共通問題
PT 専門問題
OT 専門問題
必修ポイント
医歯薬出版から出版されている参考書。
『必修ポイントシリーズ』は
- 基礎医学
- 臨床医学
- 基礎PT/OT学
- PT/OT治療学
の全4冊からなり、すべて購入すると約2万円になります。
毎年発刊されており、各シリーズにより発売日は違いますが6〜8月頃になります。
最新の国家試験から過去10年分の過去問が分野別に掲載されており、中枢神経系の分野では
①中枢神経系の解剖と系統発生
②大脳皮質の機能局在
③大脳基底核
④大脳辺縁系
⑤大脳皮質の血管支配 etc…
という項目ごとに過去問が分かれているため、体系的に理解することが出来ます。
医歯薬出版は模擬試験も行っており、出題率の高い問題が厳選してピックアップされています。
全問に解説が付いており、図表やイラストを用いて領域別に、学ぶべき要点をまとめた「必修ポイント」があるため覚えるべきポイントが一目瞭然です。
「クイックチェック」という領域ごとに一問一答問題もあるため知識の定着の助けになります。
最近の「必修ポイントシリーズ」には購入者特典として
【特典1】過去3年分の国家試験 領域別過去問題集をダウンロード出来る
【特典2】スマホやパソコンを使ってオンラインテストが可能
などもあるため、総合的に見ても非常に抜け目のないバランスのとれた参考書になります。
資料・問題数・解説のバランスがよく一番無難な参考書が欲しい方におすすめです。
中身の構成はこんな感じ・・・
PT・OT 共通問題
PT 専門問題
OT 専門問題
国試の達人
アイペックから出版されている参考書。
『国試の達人シリーズ』は
- 運動解剖生理学編
- 臨床医学編
- 理学療法/作業療法編
の全3冊からなり、すべて購入すると約1万円になります。
値段も安く、付属の問題集が取り外し可能なため持ち運びにも便利です。
毎年発刊されており、発売日は6〜7月頃になります。
本書の最大の特徴は、分野別に要点をまとめた本編と項目別問題集が別になっているところです。
本編では、分野ごとに図表やイラストを用いて、学ぶべき要点がまとまっているため、その分野の過去問を解く前に必要最低限の知識をつける事が出来ます。
わからない単語の説明やより深い内容を本編に書き込む事で、分野ごとにまとまった自分だけの一冊を作ることも出来ます。
項目別問題集では、最新の国家試験から過去15年分の問題が項目別に分けられています。
解説はついていませんが、各項目が出題年数順に並んでいるため、どのように出題傾向が変わってきているかを理解することができます。
また、他社の問題集では、その項目の主要な問題が厳選され掲載されていますが、国試の達人の項目別問題集では15年分すべて掲載されているため「問題漏れ」の心配がありません。
解説がないため、勉強が得意な人や項目別問題集を使ってたくさん問題を解きたい方におすすめです。
中身の構成はこんな感じ・・・
PT・OT 共通問題
PT 専門問題
OT 専門問題
PT/OT国家試験過去問題集 共通・専門問題10年分
電気書院から出版されている参考書。
『過去問題集 10年分シリーズ』は
- PT・OT過去問題集 共通問題 10年分
- PT/OT過去問題集 専門問題 10年分
の全2冊からなり、すべて購入すると約3千円になります。
今回紹介する参考書の中では最安値であり、全2冊のため持ち運びにも便利です。
毎年発刊されており、発売日は6月頃になります。
本書は、最新の国家試験から過去10年分の問題を各年度ごとに収録しています。
問題と解答のみで、解説はないため自分で調べる必要があります。
値段の安い参考書が欲しい方や、力試しに過去10年分の過去問を解きたい方におすすめです。
中身の構成はこんな感じ・・・
PT・OT 共通問題
PT 専門問題
OT 専門問題
PT・OT基礎固め ヒント式トレーニング(ヒントレ)
南江堂から出版されている参考書。
『PT・OT基礎固め ヒント式トレーニングシリーズ』は
- 基礎医学編
- 臨床医学編
の全2冊からなり、すべて購入すると約1万円になります。
毎年発刊されるものではないため、購入の際は改訂版・新版の確認が必要です。
そのため、最新の国家試験問題が掲載されていない場合があります。
本書は重要ポイント及び国試の出題傾向を踏まえた書き込み式の解説・図表と国試問題の選択肢を分解した一問一答により基礎知識の定着に役立ちます。
ヒント式トレーニングという名前の通り、赤シートで重要単語を隠しヒントを手ががりに思い出すことが出来ます。
分野ごとに収載した国試過去問で学力を試し、より実践的な力をつけることが出来ます。
1・2年生から本書を活用することで定期試験対策や国家試験へのスムーズな準備が可能になります。
また、基礎分野の短期集中学習が可能なため他の参考書を解く前の橋渡しになる一冊です。
共通問題が苦手な人や1・2年生から国家試験も念頭に置いて学習を進めたい人におすすめです。
中身の構成はこんな感じ・・・
PT・OT 共通問題
理学療法士・作業療法士 国家試験問題 解答と解説
医歯薬出版から出版されている参考書。
『理学療法士・作業療法士 国家試験問題 解答と解説』は全1冊で値段は約6千円になります。
毎年発刊されており、発売日は5月頃になります。
本書は、最新の国家試験の過去5年分の問題を各年度ごとに収録しています。
問題に即した簡潔な解説で短時間で知識の整理が出来ます。
PT国家試験問題とOT国家試験問題の過去5年分が一冊にまとまっているため、養成校での購入やPT/OTの友人で共有して使用するのもいいかもしれません。
解説は文章のみのため、勉強が得意な人やガンガン問題を解きたい方におすすめです。
中身の構成はこんな感じ・・・
PT・OT 国家試験問題
PT/OT国家試験共通問題 でるもんでたもん
医学書院から出版されている参考書。
『PT・OT国家試験共通問題 でるもん・でたもんシリーズ』は
- 基礎医学
- 臨床医学
の全2冊からなり、すべて購入すると約1万円となります。
毎年発刊されるものではないため、購入の際は改訂版・新版の確認が必要です。
そのため、最新の国家試験問題が掲載されていない場合があります。
本書は「解く」「理解する」「定着させる」の3つの要素が1冊に凝縮された参考書になります。
「解く」→厳選された過去問や、学習効果の高い選択肢に編集された問題を解くことにより効率が良い
「理解する」→一問に対して解説量が多く、なぜその解答になるかのポイントがあるため理解しやすい
「定着させる」→CHECK LISTの一問一答で復習が可能。Summariesで要点整理が出来、過去問と解説をリンクさせながら分野ごとに覚えるポイントが分かる。
イラストや図表も多く、赤シートで隠して覚える事が出来る箇所が多いため勉強が苦手な方に適している一冊。
他の参考書にない本書の特徴では、過去問を編集して掲載しているためより類似問題や模試に強くなるかもしれません。
勉強が苦手なため詳しい解説が必要な方や、一問一答や覚えるべき要点が初めからまとまったものが欲しい方におすすめです。
中身の構成はこんな感じ・・・
PT・OT 共通問題
結局どれがいいの?問題集の選び方
長所と短所を理解しても、参考書が沢山あって結局どれを買えばいいか迷うと思います。
選ぶポイントとしては、
斯く言う私は、『クエスチョン・バンク(共通問題・専門問題)』と『必修ポイント(基礎医学・臨床医学)』を使用していました。
とにかく勉強が苦手で頭が悪かったため、共通問題はQBと必修ポイントでしっかり基礎を固め、専門問題はQBとひたすら過去問を解いて自分で解説とまとめを作っていました。
周りの友人は「国試の達人」の項目別問題集で自分で出題傾向を理解して何度も解いた人、
「必修ポイント」と過去問だけを解いた人と様々です。
参考書選びに正解はありません。
いかに自分の能力に合った参考書を選ぶかです。
しかし、重要な事として解剖学・生理学・運動学の3つは共通問題と専門問題を解く上で基礎になるので、しっかりと理解することが大切です。
初めて出題される問題でも、この3つの基礎が、ある程度頭に入っていれば選択肢を削ることが出来るため、正解に一歩近づくことが出来ます。
どうしても解剖生理学が理解できない場合は、国試対策本ではなく、解剖生理学を分かり易くまとめている参考書で勉強してみましょう。
>>解剖生理学の分かり易い参考書の選び方はこちらから↓
国家試験は合格点が6割の168点と決まっており、毎年同じような問題が出題されます。
最低でも過去10年分の出題傾向を掴み、確実に出題される内容は理解した上で、予備知識などの深い内容を頭に入れることで合格に近づくと思います。
他参考書と比較しても最安値であり、学生にとってはありがたいお値段。
解説はなく、過去問のみのため上級者向けです。
知識を入れた後の2冊目の参考書としてもおすすめ。
おすすめの組み合わせ
- 勉強が得意
過去問題集10年分シリーズ+QB
- 勉強が苦手
過去問題集10年分シリーズ+必修ポイント (必要であればヒントレ or でるもん・でたもん)
PTとOTの過去5年分の過去問が解説ありで掲載されています。
しかし、過去問5年分では問題数が少ないため他の参考書の検討が必要です。
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