小脳について誤っているのはどれか。
- 小脳は左右半球と虫部からなる。
- 小脳脚は上・中・下の三つからなる。
- 小脳核の一つにオリーブ核がある。
- 小脳皮質は3層からなる。
- プルキンエ細胞は小脳皮質からの出力を担っている。
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解答
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解説
ここでは、小脳皮質の神経回路について解説したいと思います。
>>小脳の構造と機能についてはこちら↓
小脳皮質の主な細胞要素は顆粒細胞、プルキンエ細胞、ゴルジ細胞、星状細胞、バスケット細胞の5種類からなり、表層から深層に向かって①分子層 ②神経細胞層(プルキンエ細胞) ③顆粒層 に区分されます。
- ①分子層
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星状細胞やバスケット細胞が散在
- ②神経細胞層(プルキンエ細胞細胞層)
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プルキンエ細胞
- ③顆粒層
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顆粒細胞が密集し、その中にゴルジ細胞が散在
この小脳皮質には、登上線維と苔状線維と呼ばれる二種類の神経繊維を介して伝達されます。
登上線維は、延髄の下オリーブ核から起こり、交叉して下小脳脚を通って小脳に至り、小脳核に側枝を出したのち小脳皮質に終わります。
下オリーブ核からの出力情報をプルキンエ細胞を経由して小脳核に至る間接的な経路と、側枝として直接小脳核に入る2つの経路があります。
苔状線維は橋核を経由し、大脳皮質や脊髄を上行してきた情報は小脳核に側枝を出したのち、小脳顆粒細胞に送ります。
橋核や脊髄からの出力情報を小脳顆粒層でシナプスを形成し、分子層に入り小脳回の長軸方向に平行な平行線維となりプルキンエ細胞を経由して小脳核に至る間接的な経路と、側枝として直性小脳核に入る2つの経路があります。
小脳皮質からの唯一の出力線維はプルキンエ細胞の軸索であり、小脳核に抑制性入力を送ります。
小脳核は小脳の最終出力部位であり、ここから大脳、脳幹、脊髄に情報を送ります。
1.小脳は左右半球と虫部からなる。 ○
小脳は大きく分けて小脳半球と虫部の2つに分かれます。
小脳半球・虫部・片葉小節葉の3つに分ける場合もありますが、これは系統発生学的に分類した場合になるので間違えないようにしましょう。
2.小脳脚は上・中・下の三つからなる。 ○
小脳は神経繊維の束である3つの小脳脚(上小脳脚・中小脳脚・下小脳脚)によって脳幹と連結しています。それぞれ、上小脳脚は中脳と、中小脳脚は橋と、下小脳脚は延髄と連結しています。
3.小脳核の一つにオリーブ核がある。 ×
小脳深部(白質層)には4つの小脳核、内側から外側に向かって室頂核、球状核、栓状核、歯状核があります。
小脳核
- ゴロ 「外から四川で救出」
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四(歯状核)川(栓状核)で救(球状核)出(室頂核)
※外側から内側に向かっての順番になるため、この順で覚える事に解剖学的位置関係も頭に入りやすいと思います。
4.小脳皮質は3層からなる。 ○
小脳皮質(灰白質層)は表層から深層に向かって①分子層 ②神経細胞層(プルキンエ細胞) ③顆粒層 に区分されます。
5.プルキンエ細胞は小脳皮質からの出力を担っている。 ○
小脳皮質からの唯一の出力線維はプルキンエ細胞の軸索であり、小脳核に抑制性入力を送ります。
その後、小脳核(小脳髄質)は小脳の最終出力部位であり、ここから大脳、脳幹、脊髄に情報を送ります。
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