大脳皮質の解剖 (48P56)

大脳の中心後回にあるのはどれか。

1. 運動前野
2. 前頭眼野
3. 補足運動野
4. 第二次視覚野
5. 第一次体性感覚野

・
・
・
・
・
・
・

解説

大脳皮質は約150億個の神経細胞が集まって複雑な神経回路を作り、思考・言語・記憶・感覚・運動など高度な働きを担っています。

この問題はその大脳皮質の機能局在の場所を問われた問題ですね。


組み合わせの問題では、

第一次体性感覚野　－　中心後回　
第一次体性感覚野　－　頭頂葉

このように脳回や大脳皮質の領域のどちらで問われても正解できるよう脳の解剖を理解して位置関係を整理しておきましょう。


ブロードマンの脳地図の番号で問われる事はないと思いますが解説では追記しておきます。

ブロードマンの脳地図とは、大脳皮質を解剖学的・組織学的に５２の領野に区分したものであり、機能の局在と密接な関係がある。

大脳半球は大脳溝（シワ）という特に深く大きい溝によって区分されており、大脳溝の間の隆起部位は大脳回といいます。


中心後回は中心溝（ローランド溝）と中心後溝の間の隆起部位を指し、頭頂葉の最も前側に位置しています。


中心溝の後方と覚えておきましょう。

1. 運動前野　　　　　

3. 補足運動野　　　　

中心溝の前方（中心前回）とその内側面への延長部である中心傍小葉に運動野（ブロードマンの4野）があり一次運動野と呼ばれています。

その名の通り、皮質脊髄路によって運動指令を脳幹や脊髄への出力、高次運動野・頭頂葉・視床から情報の入力を受け運動の遂行や計画が行われています。

この運動野の大脳半球外側面の前方に運動前野、大脳半球内面の前方に補足運動野があります。

この2つは共にブロードマンの6野にあたります。

運動前野は運動の計画や視覚情報を利用して運動を実現させる働きがあります。

視覚情報を利用するという働きの例として「赤信号を見て止まる」が有名ですね。

補足運動野では記憶情報を利用して運動を実現させる働きがあります。過去に学習した運動に基づいて各運動の順序制御や計画が行われています。

つまり、運動野前方の外側部に運動前野・内側部に補足運動野が位置しているという事になります。

2. 前頭眼野　　　　　

ブロードマンの6野のさらに前方、前頭葉の背外側部に前頭眼野（ブロードマンの8野）が存在し、随意的な眼球運動に関係しています。

この問題では「運動前野」「補足運動野」「前頭眼野」が前頭葉領域に存在しています。

4. 第二次視覚野　　　

後頭葉内側面にある鳥距溝を境に上下は一次視覚野（ブロードマンの17野）であり、視覚情報は視床の外側膝状体を経由してここに到達します。

17野を囲むように二次視覚野’（ブロードマンの18.19野）が存在し様々な視覚認識が行われています。

「一次視覚野→二次視覚野→三次視覚野→…」へと順に視覚情報処理が進んでいき、奥行きや色などの高次な処理が行われいます。

この視覚野は八次視覚野まであると言われています。

つまり、二次視覚野は後頭葉の17野を囲むように存在しているという事になります。

5. 第一次体性感覚野　

頭頂葉の中心後回と中心傍小葉に一次体性感覚野（ブロードマンの1.2.3野）が存在し、表在感覚・深部感覚を司っています。

1.2.3野の下尾側で、外側溝の上方に二次体性感覚野（ブロードマンの43野）が存在しています。

つまり、一次体性感覚野は後頭葉の中心後回に存在するという事になります。

＞＞大脳の解剖の解説はこちらから↓

類似問題

55P63　Brodmannにより決定された皮質領野で一次運動野に相当するのはどれか。

1. 1野
2. 4野
3. 17野
4. 22野
5. 44野

53P53　大脳の領野と部位の組み合わせで正しいのはどれか。

1. 一次運動野　－　前頭葉
2. 一次体性感覚野　－　側頭葉
3. 聴覚野　－　頭頂葉
4. Braca野　－　側頭葉
5. Wernicke野　－　後頭葉

50P56　大脳の領野と部位の組み合わせで正しいのはどれか。

1. 一次運動野　－　側頭葉
2. 一次嗅皮質　－　後頭葉
3. 一次視覚野　－　前頭葉
4. 一次聴覚野　－　辺縁系
5. 一次体性感覚野　ー　頭頂葉

49A55　側頭葉にあるのはどれか。2つ選べ。

1. 角回
2. 歯状回
3. 帯状回
4. 海馬傍回
5. 中心前回

48P53　前頭葉に含まれるのはどれか。2つ選べ。

1. 角回
2. 紡錘状回
3. 中心前回
4. Broca野
5. Wernicke野

46P52　頭頂葉にあるのはどれか。

1. 角回
2. 帯状回
3. 歯状回
4. 海馬傍回
5. 中心前回