リンパ系の解剖と機能(左右上半身・下半身のリンパ液の経路)

リンパ系の解剖と機能
目次

過去の出題傾向

押さえておきたいPoint!!

  • リンパ管の構造の特徴(構造が似ている毛細血管や静脈との相違点)
  • 右上半身・左上半身・右下半身・左下半身のリンパ液の流れ
  • 血液・組織液・リンパ液の違いの理解



>>リンパ液の大部分はリンパ管を通り静脈系に灌流されます↓


体液の種類(血液・組織液・リンパ液)

体の中を循環している体液は、血液組織液リンパ液の3種類があり、存在する場所に応じて種類が異なります。

  • 血液血管内を流れる体液
  • 組織液細胞の間を満たす体液
  • リンパ液リンパ管内を流れる体液


血液循環(体循環)は左心房→動脈→毛細血管→静脈→右心房の順で流れます。
この毛細血管には無数の小さな穴が空いており、選択的透過性を持っており特定の物質だけを輸送できる特徴があります。


毛細血管から組織や細胞間に流れ出た体液を組織液(間質液)といいます。



血液は有形成分(血球)液体成分(血しょう)からなり、毛細血管の壁を通り抜けることが出来るものは、液体成分である血しょうや、酸素・二酸化炭素などの小さな分子です。
分子の大きなタンパク質は通ること出来ないため、組織液は粘性が低く、サラサラしています。

血しょうの成分は、90%以上の大部分を水が占めており、残りはアルブミン、免疫グロブリン(抗体)、血液凝固因子の蛋白質。この他にも糖質や脂質などの栄養分も含まれています。



組織液の80〜90%は毛細血管に再吸収されて再び血管内に戻り、残りの10〜20%は毛細リンパ管に入ります。
組織液がリンパ管内に流れ込んだものをリンパ液といいます。

体液の種類

リンパ系とは

毛細リンパ管に取り込まれたリンパ液が、リンパ管を通じて全身をめぐり、最後は静脈に入るネットワークのことをリンパ系といいます。


このリンパ系は、毛細リンパ管リンパ管リンパ節リンパ本幹リンパ性器官(脾臓・胸腺・扁桃体・パイエル板)からなります。


リンパ系は、血液循環と密接に関わっている重要なシステムで、主な働きは3つあります。

①リンパ循環


血液中の液体成分(血漿)は毛細血管内の動脈圧によって、毛細血管から押し出されて組織液になります。しかし、細胞間に必要以上の組織液が溜まると、むくみや浮腫が生じてしまいます。

電解質を含む約80%の組織液は浸透圧によって毛細血管に再吸収され、残りの20%の組織液は毛細リンパ管に入ります。
この働きによって、余分な組織液が溜まらないように体液の恒常性(バランス)を維持する役割を担っています。

リンパ系は心臓にように駆動装置がないたため、リンパ管には弁がきわめてよく発達し、静脈と同様に骨格筋の収縮や隣接する動脈などの拍動によってマッサージされるように圧迫され、リンパの灌流が促進されます。

②免疫機能 

組織液は細胞に酸素や栄養素を供給する重要な働きがあります。
ただし、この液体には老廃物や細菌も含まれているため、そのままにしておくと身体に悪影響を与えることがあります。

そのためリンパ管は、組織液を拾い上げたのちにリンパ節というフィルターを経由して血管系に戻しています。

リンパ節はリンパ管の途中に存在しており、リンパ球の増生やリンパ液中の異物の処理を行う生体の重要な防御装置として働いています。

風邪をひいたとき、首や耳の後ろのリンパ節が腫れてしまうのは、病原体を処理するためリンパ節が仕事をしている証ということです。

形状はソラマメ状に膨らんでおり、輸入リンパ管と輸出リンパ管の出入りや、リンパ節を栄養する動静脈が出入りします。

リンパ節のように多くのリンパ球が存在して免疫機能を担う器官をリンパ性器官(リンパ組織)と呼びます。

リンパ性器官は胸腺扁桃脾臓パイエル板(小腸)などがあります。

リンパ性器官は、免疫反応に重要なリンパ球の発生や分化の働きを持っている器官です。

一次リンパ性器官:リンパ球の分化や成熟に関わる器官。胸腺骨髄がある。
二次リンパ性器官:リンパ球が免疫応答を行う場所でリンパ節脾臓扁桃パイエル版がある。


③脂質輸送 

脂肪(コレステロール)は水に溶けにくい性質があるため、血液中では水に溶ける物質に包んで、リポタンパク質という形で血液中を移動します。

リポタンパク質は比重によって5つに大別され、低密度リポタンパク質(LDL)や高密度リポタンパク質(HDL)などがあり、末梢組織と肝臓間をコレステロールが行き来しています。

この2つは悪玉コレステロール(LDL)、善玉コレステロール(HDL)とも呼ばれており、こちらの方が聞き覚えがあるかもしれません。

食事から摂取された脂肪分は、腸から吸収されたのちカイロミクロンというリポタンパク質に変わります。
カイロミクロンは直接血管に入らず、毛細リンパ管からリンパ系に入り、乳び槽に集められた後、胸管を経由して左静脈角から血液中に流入します。

リンパ系は、体液の循環を担うだけでなく、脂質や脂溶性ビタミンの運搬も行っています。

乳びとは…
脂肪を大量に含み、乳白色になったリンパ液のことです。

乳び槽とは…
腸リンパ本幹と左右の腰リンパ本幹が合流してできる袋状の膨らみのことで、胸管の起始部になります。腸から吸収された食物脂質は血管に入らずに、この乳び槽に流入し、最終的には血液へと運ばれる。とくに食後には、脂肪滴(乳び)が含まれるため胸管を流れるリンパは白濁してみえます。



出典:LymphaticSystem 一部改変(CC 表示 3.0)

リンパ管の形態(毛細リンパ管・集合リンパ管・リンパ本幹)

リンパ管は大きく分けると毛細リンパ管集合リンパ管の2種類からなります。



毛細リンパ管は毛細血管と同じく単層の内皮細胞からなり、先端が不規則な盲端状の形態をしていて、血液循環のない部位や骨髄・中枢神経系を除いて、全身に分布しています。

内皮細胞が重なりあった隙間から、組織液の一部を毛細リンパ管に取り込みます。
毛細リンパ管は毛細血管に比べて内皮細胞間の隙間が広いため、高分子の物質も吸収が可能です。
また、重なり合った内皮細胞が弁として働くため、逆流できない仕組みになっています。

毛細血管の両端は動脈と静脈に繋がっていて、行き止まりはないですが、毛細リンパ管は先端が閉じられた盲端より始まります。

盲端状とは、一方の端が閉じていること言います。いわゆる行き止まりの事で、盲腸も「行き止まりの腸」という意味で「盲」という漢字が使われています。





集合リンパ管は毛細リンパ管の合流によって太くなったもので、平滑筋と弁があります。
静脈によく似ており、内膜・中膜・外膜の3層構造からなります。

  • 内膜:単層扁平上皮の内皮細胞
  • 中膜:平滑筋
  • 外膜:線維性結合組織

中膜の平滑筋層によってリンパ管は消化管の蠕動運動のように自動運動能を持っていることが特徴であり、1分間に約10回程度緩やかに動いてリンパ本幹の方へ押し出しています。

また内腔に備わる弁の数は、静脈よりずっと多く肉眼的に数珠状に見えます。
この弁の働きによってリンパ液は一方向性に抹消から中枢にゆっくりと流れています。

集合リンパ管は濾過装置であるリンパ節を通過した後、分岐と吻合を繰り返してリンパ本幹になります。

主要なリンパ本幹

胸管

胸管は人体で最大のリンパ本幹であり、成人では直径約4㎝、長さ約40㎝あります。
下半身の大部分(両下肢・骨盤腔・腹腔)と左上半身(胸郭・頭・頸部左半分・左上肢)からのリンパ管を集めます。

乳び槽から始まり、腹大動脈と脊柱の間を上行した後、横隔膜の大動脈裂孔を通過して腹腔に入り、左の静脈角(内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部)に注ぎます。

右リンパ本幹

右リンパ本幹は、右鎖骨下リンパ本幹、右頚リンパ本幹、右気管支縦隔リンパ本幹が合流して形成され、長さ約1㎝の短管となり右静脈角に注ぎ込みます。

右上半身(右上肢・頭部・頸部・胸壁・気管・肺および心臓・肝臓の大部分)からのリンパを受けます。

リンパ液の流れ

出典:LymphaticSystem 一部改変(CC 表示 3.0)


類似問題

53A57 リンパ系について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 脾臓はリンパ液を濾過する
2. 胸管は右鎖骨下静脈に流入する
3. 腸管由来のリンパ液を乳糜という
4. リンパ管には弁機能が存在しない
5. 右下肢のリンパ液は胸管に流入する

解答と解説

解答35

1.×
脾臓は二次リンパ性器官で、リンパ球が免疫応答を行う場所であり、リンパ液は濾過しません。脾臓は赤脾臓と白脾臓の2種類の組織から出来ており、赤脾臓は血液の濾過機能があり古くなった赤血球を破壊し除去します。白脾臓はリンパ球を産生しており免疫応答の役割を持っています。
リンパ液は主にリンパ管を通じて流れ、リンパ節で濾過されます。他の二次リンパ性器官である胸腺や扁桃腺も同様に免疫応答に働きますが、リンパ液が直接流入することはありません。

2.× 
胸管は人体最大のリンパ本幹であり下半身と左上半身のリンパ管を集めた後に、左鎖骨下静脈と左内頸静脈の合流点である左静脈角に流入します
右リンパ本幹は右鎖骨下静脈と右内頸静脈の合流点である右静脈角に流入します。

3.○ 
腸管で吸収された脂質は、血管に入らずに乳び槽に流入します。リンパ液と脂肪が混ざって白色濁った液体となることから「乳糜」<にゅうび>と呼ばれます

4.× 
リンパ系は心臓にように駆動装置がないたため、リンパ管には弁がきわめてよく発達し、静脈と同様に骨格筋の収縮や隣接する動脈などの拍動によってマッサージされるように圧迫され、リンパの灌流が促進されます。


5.○
右下肢のリンパ液は胸管に流入します。
下半身や腹部、左頭頸部、左上肢など身体の大部分のリンパ管は胸管に合流し、右上半身からのリンパ管は右リンパ本幹に合流する。

51P57 リンパについて正しいのはどれか。

  1. 乳び槽は横隔膜上部にある
  2. リンパ管には弁機構はない
  3. 胸管は右の静脈角に合流する
  4. リンパ節は毛細リンパ管にある
  5. 左上肢のリンパは左鎖骨下リンパ本幹に流れ込む
解答と解説

解答

1.×
腰リンパ本幹と腸リンパ本幹が合流した袋状の乳糜槽が、胸管の起始部になります。腹大動脈と脊柱の間を上行した後、横隔膜の大動脈裂孔を通過して左静脈角に流入します。
つまり乳び槽は胸腔と腹腔を仕切る横隔膜の下部に存在することになります。

2.×
リンパ系は心臓にように駆動装置がないたため、リンパ管には弁がきわめてよく発達し、静脈と同様に骨格筋の収縮や隣接する動脈などの拍動によってマッサージされるように圧迫され、リンパの灌流が促進されます。

3.×
胸管は人体最大のリンパ本幹であり下半身と左上半身のリンパ管を集めた後に、左鎖骨下静脈と左内頸静脈の合流点である左静脈角に流入します
右リンパ本幹は右鎖骨下静脈と右内頸静脈の合流点である右静脈角に流入します。

4.×
リンパ節はリンパ管の途中にや分岐点に存在しており、リンパ球の増生やリンパ液の異物の処理をする防御組織として働いています。
毛細リンパ管は体内の組織液を吸収し、それがリンパ液になります。毛細リンパ管の合流によってリンパ管になり、リンパ節を通過した後リンパ本幹になります。
リンパ節は毛細リンパ管にありません。

5.○
左上肢のリンパは左鎖骨下リンパ本幹に流れ込みます
下半身や左上半身など身体の大部分のリンパ管は胸管に合流し、右上半身からのリンパ管は右リンパ本幹に合流します。

50A64 組織液の還流で正しいのはどれか。

  1. 肝障害では浮腫は生じない。
  2. 組織液が過剰になった状態を浮腫という。
  3. 組織液の90%が毛細リンパ管に流入する。
  4. リンパ管内のリンパは主幹動脈に流入する。
  5. 組織液中の高分子の蛋白はリンパ管より末梢血管に多く流入する。
解答と解説

解答

1.×
肝障害により浮腫を生じます。
肝臓の主な働きは①栄養素の合成・貯蔵 ②消化に必要な胆汁を合成・分解 ③体内の有害物質を解毒・代謝する3つがあります。
小腸で吸収されたタンパク質は門脈から肝臓に入り、肝臓で血漿蛋白タンパク質(アルブミン・グロブリン・フィブリノゲン)を血液中に放出します。
アルブミンは血液中の水分をとどめて血管内の浸透圧を維持する働きがあります。
肝機能障害によりアルブミンが低下すると膠質浸透圧が低下し腹水をきたします

血漿浸透圧と膠質浸透圧の違い

①血漿浸透圧

血漿とは、血液から血球成分(赤血球・白血球・血小板)を除いたものです。
血漿浸透圧は電解質(ナトリウム)の濃度の影響を受ける浸透圧です。
血液中のナトリウム濃度が高くなると、浸透圧の水分移動だけでなく、視床下部の浸透圧受容器が働き、濃くなったナトリウムを薄めようと、口渇を感じます。
水分補給が不十分であれば、体の水分を体外に出さないために抗利尿ホルモンが分泌されて尿量が低下します。
そのため、血液中のナトリウム濃度が上昇すると、血液量が増加します。

②膠質浸透圧

膠質とは、コロイドのことであり分子が液体中に分散した状態をいいます。
膠質浸透圧はアルブミン濃度の影響を受ける浸透圧です。
アルブミンは水を引きつける浸透圧作用を持っています。アルブミン1gで約20mlの水を引きつける働きがあります。血液中のアルブミン値が低下すると血管外に出た水分を血管内に引き込むことが出来なくなるため浮腫が生じます。
体内の蛋白質はフィブリノーゲン、グロブリン、アルブミンなど100種類以上ありますが、タイ部分をアルブミンが占めるため、膠質浸透圧はアルブミン濃度の影響を一番受けます。



2.○
浮腫とは組織液やリンパ液が何らかの原因によって過剰に貯留されて状態をいいます。
原因は様々で、毛細血管内圧上昇・低アルブミン血漿・血管透過性亢進・リンパ管閉塞・粘液水腫・麻痺による不動などがあります。


3.×
「毛細血管」と「毛細リンパ管」で惑わされないようにしましょう。
組織液の80〜90%は毛細血管に再吸収されて再び血管内に戻り、残りの10〜20%は毛細リンパ管に入ります


4.×
リンパ管内のリンパは全身をめぐった後、最後は静脈(左右の静脈角)に入ります
右上半身は右静脈角に、下半身と左上半身は左静脈にそれぞれ入ります。


5.×
高分子のタンパク質にはフィブリノーゲン・グロブリンなどがあり、タンパク質の大部分を占めるアルブミンは低分子のタンパク質になります。

高分子の蛋白質などの大きな物質は、毛細血管壁を通過しにくい特徴があります。
毛細リンパ管は毛細血管に比べて内皮細胞間の隙間が広いため、高分子の物質も吸収することが可能です。
つまり、組織液中の高分子の蛋白は抹消血管よりリンパ管に多く流入するということになります。

また、低分子蛋白であるアルブミンは分子サイズが比較的小さいため、毛細血管壁を通り血液中から組織液に漏れ出します。アルブミンは血漿中と組織液中に存在し、お互いに交換しながら平衡を保っています。
(血漿中のアルブミン濃度:3.5〜5.5g/dl.)
(組織液中のアルブミン濃度:1.5g/dl)

毛細血管壁を通って毛細血管から組織内に出たアルブミンはの大部分は、毛細リンパ管を通って静脈内に灌流します。

48A58 リンパの流れについて誤っているのはどれか。

1.乳び槽は腸リンパ本幹と腰リンパ本幹が合流してできる。
2.右リンパ本幹のリンパは右静脈角から静脈に流入する。
3.右上肢からのリンパは右頭部からのリンパと合流する。
4.右下肢からのリンパは右リンパ本幹に流入する。
5.胸管のリンパは左静脈角から静脈に流入する。

解答と解説

解答

1.○
乳び槽とは、左右腰リンパ本幹腸リンパ本幹が合流してできる袋状の膨らみのことで、胸管の起始部になります。

2.○
右リンパ本幹は、右鎖骨下リンパ本幹、右頚リンパ本幹、右気管支縦隔リンパ本幹が合流して形成され、右静脈角から静脈に流入します。

3.○
右上肢からのリンパは右鎖骨下リンパ本幹に合流し、右頭部からのリンパは右頚リンパ本幹に合流します。
右鎖骨下リンパ本幹、右頚リンパ本幹、右気管支縦隔リンパ本幹が合流して右静脈角から静脈に流入します。

4.×
右下肢からのリンパは、胸管の起始部である乳び槽に流入します。
下半身や左上半身など身体の大部分のリンパ管は胸管に合流し、右上半身からのリンパ管は右リンパ本幹に合流します。

5.○
胸管は人体で最大のリンパ本幹であり、左の静脈角(内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部)から静脈に流入します。

46A57 リンパの流れについて正しいのはどれか。 

  1. 腸リンパ本幹は右リンパ本幹に注ぐ。
  2. 乳び槽は頭部のリンパを集める。
  3. 胸管は左鎖骨下静脈に注ぐ。
  4. 右上肢のリンパは胸管に注ぐ。
  5. 右下肢のリンパは右リンパ本幹に注ぐ。 
解答と解説

解答

1.× 
腸リンパ本幹と左右の腰リンパ本幹は合流した後、胸管の起始部である乳び槽に注ぎます。

2.× 
乳び槽は両下肢および腹腔消化管からのリンパ液を集めます。腸から吸収された食物脂質は血管に入らずに、乳び槽に流入して最終的に血液に運ばれます。

3.○ 
胸管は左鎖骨下静脈と左内頸静脈の合流部の左静脈角に注ぎます。

4.× 
右上肢リンパは右鎖骨下リンパ本幹となり右リンパ本幹に注ぎます。

5.× 
右下肢からのリンパは、胸管の起始部である乳び槽に流入します。


45P57 正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. リンパ管には弁機構が存在しない。
  2. 毛細リンパ管は単層の内皮細胞からなる。
  3. 胸管は右側の静脈角に合流する。
  4. 右腰リンパ本幹は右リンパ本幹に入る。
  5. 脾臓はリンパ性器官の1つである。
解答と解説

解答25

1.×
リンパ系は心臓にように駆動装置がないたため、リンパ管には弁がきわめてよく発達し、静脈と同様に骨格筋の収縮や隣接する動脈などの拍動によってマッサージされるように圧迫され、リンパの灌流が促進されます。
この弁の働きによってリンパ液は逆流することなく一方向性に抹消から中枢にゆっくりと流れています。

2.○
毛細リンパ管は毛細血管と同じく単層の内皮細胞からなります
毛細リンパ管は毛細血管に比べて内皮細胞間の隙間が広いため、高分子のタンパク質も吸収が可能です。
また、重なり合った内皮細胞が弁として働くため、逆流できない仕組みになっています。

3.×
胸管は下半身の大部分と左上半身のリンパ管を集めて、左の静脈角(内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部)に注ぎます。

4.×
左右の腰リンパ本幹と腸リンパ本幹は合流した後、胸管の起始部である乳び槽に注ぎます。
右リンパ本幹には右鎖骨下リンパ本幹、右頚リンパ本幹、右気管支縦隔リンパ本幹が合流して右静脈角に注ぎます。

5.○
リンパ性器官とは、免疫反応に重要なリンパ球の発生や分化の働きを持っている器官です。
脾臓は二次リンパ性器官で、リンパ球が免疫応答を行う場所になります。
脾臓は赤脾臓と白脾臓の2種類の組織から出来ており、赤脾臓は血液の濾過機能があり古くなった赤血球を破壊し除去します。白脾臓はリンパ球を産生しており免疫応答の役割を持っています。

リンパ性器官は他にも、胸腺・扁桃・パイエル板(小腸)があります。

43P15 正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. リンパ節には皮質と髄質とがある。
  2. リンパ管には弁がほとんどない。
  3. 胸管は乳び槽から起こる。
  4. 胸管は右鎖骨下静脈に入る。
  5. 右腰リンパ本幹は右リンパ本幹に入る。
解答と解説

解答13

1.○ 
リンパ節はリンパ管の途中に存在しており、リンパ球の増生やリンパ液中の異物の処理を行う生体の重要な防御装置です。
形状はソラマメ状に膨らんでおり、輸入リンパ管と輸出リンパ管の出入りや、リンパ節を栄養する動静脈が出入りします。

リンパ節には皮質と髄質があります。
皮質はリンパ節の外側に位置する領域で、免疫反応の初期段階が行われます。
髄質は内側に位置する領域で、濾過されたリンパ液が集まります。

2.× 
リンパ系は心臓にように駆動装置がないたため、リンパ管には弁がきわめてよく発達し、静脈と同様に骨格筋の収縮や隣接する動脈などの拍動によってマッサージされるように圧迫され、リンパの灌流が促進されます。
この弁の働きによってリンパ液は逆流することなく一方向性に抹消から中枢にゆっくりと流れています。

3.○ 
胸管は人体で最大のリンパ本幹であり、下半身の大部分と左上半身からリンパ管を集めます。
胸管の起始部は乳び槽であり、左右の腰リンパ本幹と腸リンパ本幹が合流してできます。

4.× 
胸管は腹大動脈と脊柱の間を上行した後、横隔膜の大動脈裂孔を通過して腹腔に入り、左の静脈角(内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部)に注ぎます。

5.× 
右腰リンパ本幹は腸リンパ本幹と合流して乳び槽になった後、胸管になります。

40P14 リンパ系について誤っているのはどれか。

  1. 腸管由来のリンパ液を乳糜という
  2. リンパ節は細網組織からなる
  3. 胸管は右側の静脈角に合流する
  4. 脾臓はリンパ系器官の一つである
  5. リンパ管には弁機構が存在する
解答と解説

解答

1.○
腸管で吸収された脂質は、血管に入らず乳び槽に流入します。リンパ液と脂肪が混ざって白色濁った液体となることから「乳糜」<にゅうび>と呼ばれます

2.○
細網組織とはリンパ節、脾臓、骨髄などに存在する結合組織の一種をいいます。
リンパ節の内部は細網組織の網目がつくるリンパ洞とリンパ球の集まるリンパ小節からなります。組織に網目で細菌や異物を捉える働きもあります。

3.× 
胸管は人体で最大のリンパ本幹であり、下半身の大部分と左上半身からリンパ管を集めます。
乳び槽から始まり、左の静脈角(内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部)に注ぎます。

4.○
リンパ性器官とは、免疫反応に重要なリンパ球の発生や分化の働きを持っている器官です。
脾臓は二次リンパ性器官で、リンパ球が免疫応答を行う場所になります。
脾臓は赤脾臓と白脾臓の2種類の組織から出来ており、赤脾臓は血液の濾過機能があり古くなった赤血球を破壊し除去します。白脾臓はリンパ球を産生しており免疫応答の役割を持っています。

リンパ性器官は他にも、胸腺・扁桃・パイエル板(小腸)があります。

5.○
リンパ系は心臓にように駆動装置がないたため、リンパ管には弁がきわめてよく発達し、静脈と同様に骨格筋の収縮や隣接する動脈などの拍動によってマッサージされるように圧迫され、リンパの灌流が促進されます。
この弁の働きによってリンパ液は逆流することなく一方向性に抹消から中枢にゆっくりと流れています。

参考文献

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