白質に分類される解剖学的構造 (52P56)

白質に分類される解剖学的構造

解剖学的構造のうち、白質に分類されるのはどれか。

  1. 視床
  2. 脳梁
  3. 被殻
  4. 淡蒼球
  5. 脊髄前角







目次

解説

大脳や小脳の脳表層(皮質)は、神経細胞体が多く集まる灰白質からなります。

深層(髄質)は神経細胞体がなく軸索(神経線維)が無数の束となって走行している白質からなります。

また、脳内には灰白質が散在しており、これを神経核といい大脳基底核や視床なども含まれます。

脊髄や脳幹ではこの位置関係がになり表層に白質、深層は灰白質が多くあります。



灰白質は、白質からを送られてきた神経情報の処理や末梢に情報を伝達しています。

この灰白質と白質の神経の連絡を伝導路といいます。

灰白質

神経細胞体が密に集合している場所

白質

神経細胞の軸索(神経線維)が無数の束となって走行する部分

灰白質と白質の名前の由来は両者を肉眼で観察したときの特徴によるものです。

白質は有髄神経線維のミエリン鞘が脂質成分のため明るい白い色をしています。

灰白質は神経細胞体が密に集まっていること、そして毛細血管に富んでいるためピンクのかかった灰色になります。


この問題では大脳皮質や小脳皮質が選択肢にないので、脳内部にある神経核が灰白質・白質のどちらにあたるかを理解していなければいけません。

1. 視床 ×

3. 被殻 ×

4. 淡蒼球 ×

視床、被殻、淡蒼球は脳内部にある神経核(灰白質)にあたります。

他にも、大脳基底核や視床下部やなども灰白質に当てはまります。

5. 脊髄前角 ×

脊髄の横断面は、中央に中心菅があり、H字形の灰白質(深部)と白質(表層)からなります。

灰白質の前方への突出部を前角、後方への突出部を後角、胸髄と上部腰髄では外側に突出して側角があります。

前角は運動神経細胞、後角は感覚を中継する神経細胞、側角は自律神経細胞が集まっています。

側角横断図

出典:医学博士 Dr.松本のブログ      より引用

2. 脳梁 ○

脳梁は左右の大脳の中心にあり、左右の大脳半球を連結する神経線維の束です。

この神経線維は大脳皮質の深部にある白質であり、大きく分けて3つに分類されます。

これらの神経繊維はすべて白質にあたります。

【連合繊維】 同側の大脳半球皮質部を結合
(弓状繊維、上縦束、下縦束、鉤状束、帯状束、前頭後頭束など)

【交連繊維】 左右の大脳半球皮質部を結合
(脳梁、前・後交連、脳弓交連など)※「交連」と名前が付く

【投射繊維】 大脳皮質と下位脳(間脳、脳幹、小脳)、脊髄とを結合
(内包、脳弓、放線冠、視放線など)※「放線」名前が付く

語尾の言葉である程度、どの繊維に分類されるか予想できそうですね。

類似問題

類似問題はありません。

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