第53回 OT 実地問題 AM 1-20

１、85歳の女性。右利き。突然の意識消失のため救急搬送された。入院後、意識は回復した。発症後2時間のMRI拡散強調像を別に示す。
今後この患者に生じる可能性の高い症状はどれか。

２、図は探索反射を検査している場面である。
正しいのはどれか。

３、Danielsらの徒手筋力テストの段階5及び4の検査で、検査者の抵抗をかける手の位置で正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、矢印は検査者の加える力の方向を示す。

４、29歳の男性。バイク転倒事故による右前頭葉脳挫傷および外傷性くも膜下出血。事故から2週後に意識晴明となり、作業療法が開始された。運動麻痺と感覚障害はない。礼節やコミュニケーション能力は保たれているが、感情表出は少なく、ぼんやりしていることが多い。既知の物品操作方法は覚えているが、事故後の出来事に関する情報は忘れやすい。作業療法開始時期までに支度を整えることが難しく、しばしば時間に遅れる。
この患者の状態を評価するために適切と考えられる評価法はどれか。2つ選べ。

５、上腕能動義手の適合検査において、コントロールケーブルシステムの操作効率チェックする計算式を以下に示す。
コントロールケーブルシステムの操作効率（%）＝A/B×100
Aにあたる計測はどれか。

６、手の写真を別に示す。
上腕骨骨幹部骨折による神経麻痺によって生じやすいのはどれか。

７、検査の写真を別に示す。
ASIAにおけるT1のkey muscleの検査はどれか。

８、図のような腕神経叢損傷で障害される動きはどれか。

９、7歳の男児。脳性麻痺の痙直型両麻痺。GMFCSレベルⅢ。床上を前方へ移動する様子を別に示す。
考えられる状態はどれか。

１０、尺骨の骨幹部骨折での固定範囲で正しいのはどれか。

１１、72歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージⅢ、クラス3、訪問リハビリテーションを行っている。最近、新たに後頸部痛と歩きにくさを訴えている。
この患者への対応として適切でないのはどれか。

１２、80歳の男性。要介護2。妻と2人暮らし。上肢機能は保たれているが、下肢の支持性の低下がある。認知機能は保たれている。尿意はあり、日中は様式トイレでズボンの上げ下ろしの介助を受けて排尿している。便失禁はないが、夜間の居室での排尿方法を検討している。「妻を起こさずに自分で排尿したい」との希望がある。
排泄用具の写真を別に示す。
選択する排泄器具として適切なのはどれか。

１３、55歳の男性。2年前に筋萎縮性側索硬化症と診断された。2ヶ月前に誤嚥性肺炎を起こして入院した。肺炎改善後、胃瘻が増設された。構音障害が重度で、発音は母音のみ可能、発生持続時間は8秒。湿性嗄声はない。唾液の空嚥下は可能である。上肢の筋力はMMTで4レベルであるが、体幹および下肢の筋力は3。歩行のFIMは1、移乗のFIMは6及びトイレ動作のFIMは6であった。自宅退院を計画している。
この患者に対する適応で正しいのはどれか。

１４、23歳の男性。高校卒業後、公務員として働いていた21歳時に統合失調症を発症したため退職、入院した。退院後は家業を手伝っていたが、命令的内容の幻聴によって3日間放浪したため、2度目の入院となった。1ヶ月後に退院し、実家からデイケアに通い始めた。
この時点で把握すべき情報として最も重要なのはどれか。

１５、23歳の男性。2ヶ月から職場の業務がシフト勤務になり夜勤が入るようになった。1ヶ月前から日中の眠気を取るために、カフェイン入りの栄養ドリンクを1日4本以上飲むようになった。妄想や抑うつ感などは特に訴えていないが、不眠といらだちを主訴に精神科を受診した。
この患者に対して初期にすべき介入はどれか。

１６、67歳の女性。認知症。2年前ごろから身だしなみに気を遣わずに出かけるようになった。次第に同じ食事メニューを繰り返し作る、日常会話で相手の言葉をオウム返しにする、買い物をしても代金を払わず、とがめられても気にしないといったことが多くなったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。作業療法が開始された。
この患者にみられる特徴はどれか。

１７、28歳の女性。産後うつ病。育児休暇中である。元来、何事にも手を抜けない性格。出産から4ヶ月経過したころから、子どもの成長が気になり始め、夫に不安をぶつけるようになった。次第に「母親失格」と言ってはふさぎ込むようになったため、夫に連れられて精神科を受診し入院となった。1ヶ月半後、個別的作業療法が開始となったが、手芸中に「私は怠け者」とつぶやく様子がみられた。
この患者に対する作業療法士の対応として適切なのはどれか。

１８、29歳の女性。歩行困難を主訴に整形外科を受診したが気質的問題が認められなかったため、紹介によって精神科外来を受診することとなった。手足が震え、軽い麻痺のような脱力があり、自立歩行ができないため車椅子を使用している。立位保持や移乗に介助を必要とし、ADLはほぼ全介助である。
この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。

１９、26歳の女性。衝動的な浪費や奔放な異性交遊の後に抑うつ状態となり、リストカットを繰り返していた。常に感情が不安定で、空虚感や見捨てられることへの不安を訴える。職場での対人関係の悪化をきっかけに自殺企図が認められたため入院となった。
この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。

２０、52歳の男性。統合失調症で精神科入院歴があるが、この9年間は治療中断しており、時々幻聴に影響された言動がみられる。医師の往診の後、何とか本人の同意を得て訪問支援開始となった。初回訪問時、居間で20分ほど落ち着いて話ができる状況である。
初期の訪問において、作業療法士が最も留意すべきなのはどれか。